t値とp値の違い

回帰分析の結果を見る際の一つの重要なチェック項目として、説明変数の係数や定数項が有意である(すなわち、統計分析によって導かれた値が「意味」が「有る」ものである)か否かに着目します。その際、キーワードとなるのがt値とp値です。

t値とp値の違い

t 値とは何か?

t 値は、説明変数の係数や定数項の確からしさの度合いを判断する際に使用する数値であり、t 値の絶対値が大きければ大きいほど、強く有意であると判断できます。(注1)
具体的には、t 値が「-2以下」か「+2以上」であれば有意であると一般的には判断されます。つまり、絶対値 2 以上( t ≧|2|)あると有意であると判断できます。ただし、サンプルサイズによってその基準は異なってきます。

p 値とは何か?

一方、p 値とは、説明変数の係数や定数項が”たまたま”その値である確率を示しています。例えば、ある説明変数の係数の p 値が 5 %以下であった場合、「この説明変数は 5 %以下の確率で”たまたま”この係数である」ということを示しています。言い換えると、95%以上の確率で「偶然ではない」、つまり確からしい係数であるという事を意味しています。
p値を用いる際は、どれだけの確率を有意水準とするか(すなわち、どれだけの確率を「たまたま」と定義するか)について、事前に取り決めを行っておきます。慣習的に、1%有意、5%有意、10%有意の三つを主に使用します。(注2)

t 値と p 値の違い

そして、ここから本題です。t値とp値は、それぞれ有意性に関する統計量ですが、はたしてt値とp値は何が違うのでしょうか?結論を先に言うと、「示し方が違うだけで、意味している事は一緒」となります。
t 値と p 値は両者とも説明変数の係数や定数項の有意性を見るものでした。ただし、値の定義は異なり、t値が説明変数の係数や定数項の値の確からしさの”度合い”を示しているのに対し、p 値が説明変数の係数や定数項の値が確からしくない”確率”を示しているのです。

t 値と p 値、どちらを示せば良いか?

t値とp値が同じ事を示しているのであれば、分析結果をまとめる際にはどちらか一方を使えば良いはずです。では、実際どちらを示せば良いのでしょうか?これは、どちらでも大丈夫です。すなわち、好みによります。学者でも、t値を好んで示す人もいれば、p値を好んで示す人もいます。

あるいは、t値とp値の代わりに標準誤差を示す人もいます。この標準誤差を示す方法の利点は、分析結果の有意性を示すだけではなく、標準誤差というデータの散らばり具合についての情報も同時に表示することが出来る点にあります。

しかしながら、紹介した三つの示し方のどれを用いるかは、好みによって決定して良いものであると言えます。従って、どれも正しいやり方であり、どれを選ぶかは分析した人の好みに委ねられるという事になります。

注1:ここでは、t値の直感的な理解を促す目的で、非常に単純化した説明をしています。より詳しいt値の概念については、統計学の教科書をご参照ください。
注2:10%有意の場合を「弱く有意である」、5%有意の場合を「有意である」、1%有意の場合を「強く有意である」といいます。

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