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人と機械が共存する未来をつくる

今回のインタビューは統計専門チームの祖山。社内でも統計に関して一番詳しく、統計チームのリーダー的役割を担っている。
それぞれの転換点で導かれるようにたどり着いた統計・分析の世界。彼が目指す「価値ある未来」とは?熱い想いがそこにはあった。

人と機械が共存する未来をつくる-01

Python、そして統計との出逢い

下城 可奈

いまの業務内容を教えてください


祖山寿雄

色々ありますが、メインは統計専門のチームでmagellanの分析に関わるもの全般を担当しています。どんなロジックでどんなアルゴリズムでやるのか設計したり、検証から実装まで全て担当しています。営業に同行することも稀にありますし、分析部分以外の開発を行うこともあります。

下城 可奈

祖山さんが営業同行に行くときはどんな状況の時ですか?


祖山寿雄

お客様の中でも分析に関して専門部門がある等、リテラシーが高い方がいらっしゃるのでその時には私が同行してロジックから説明したりしますね。

下城 可奈

専門家とお話するのとそうでない方とお話するのでは伝え方等がかなり異なると思うのですが、その部分で気を付けていることとかありますか?


祖山寿雄

バランスが難しいですね。分析とか統計学として間違ったことを言ってはいけないというのはあるので、正しいことを言わないといけないのですが、とはいえ分かりやすくしなければならないという相反するものの狭間にいる感じですね。

下城 可奈

それはどういうことですか?


祖山寿雄

ざっくりと分かりやすくし過ぎると正確でなくなってしまうことも多々あるのでそこのバランスが難しいですね。

下城 可奈

いまの業務の中でもっと良くしたいなと思う部分はどこですか?


祖山寿雄

組織化をしっかり行うことですかね。
いままで統計専門のチームの定義が非常に曖昧だったので、その部分を明確化したうえで組織としてどう動くかを定めていかなければいけないなと思っています。

下城 可奈

いまでは統計専門の祖山さんですが、統計に触れるきっかけはどこだったんですか?


祖山寿雄

今の仕事と絡んでくるのは大学3年になるときですね。歴史や政治や社会学が好きで大学は社会科学のところに行ったのですが、大学3年になるタイミングでどこのゼミに入るかを選ぶことになるんですね。その当時は哲学をやろうと思ってて、哲学系のゼミの見学に行ったんです。

下城 可奈

哲学系志望だったとは驚きです。


祖山寿雄

そうんなんですよね。でも実際に見学に行ったら、あまり面白そうじゃなかったんです(笑)その頃にはほとんどのゼミの見学も終わっていて。仕方なく各ゼミの内容をまとめた冊子を見ていたら情報系のゼミがあって。とりあえずここでいいやと(笑)

下城 可奈

もともと情報系のことには興味があったんですか?


祖山寿雄

もともとPC触るのが好きだったりして、中3の頃はお小遣いでPCを自作したりしていたんですよ。小さいころから好きだったので。

下城 可奈

小さいころから好きだったということは身近にそういったものがあったんですか?


祖山寿雄

私の父がハードウェア保守の仕事をしていた関係で、小学生くらいの時から触れる機会が多かったんだと思います。PCはありましたし。
Windows95とか、Windows3.1もありました。

下城 可奈

その頃からIT技術に触れていたんですか?


祖山寿雄

その頃は技術とまでは言えないですね。普通にインターネットをやったりとかでした。強いて言えば、中学・高校からHPをつくったりはしていましたね。

下城 可奈

どうしてつくろうと思ったんですか?


祖山寿雄

当時はみんなそうだったと思うのですが、ゲームが好きで、インターネットでゲームの攻略サイトとか見ていたんですよね。そういうのを見ているうちに自分でもつくってみようかなと思いまして。

下城 可奈

その時はまだテキストサイトの時代ですよね?


祖山寿雄

そうですね。素でHTMLとかCSSを書く時代ですね。

下城 可奈

それとは別にプログラミングはやっていたんですか?


祖山寿雄

大学するまではやってなかったです。プログラミングに出逢ったのがさっき言っていた情報系のゼミだったんですよね。そのゼミの教授がPythonのコミュニティに入ってる人で、そこから本格的にプログラミングを始めました。

下城 可奈

Pythonで何をしていたんですか?


祖山寿雄

Pythonでデータサイエンスっぽいことをやっていましたね。おそらくこの時の経験がいまに繋がっているんだと思います。その時からずっとPythonには触れていて、社会人になってからも、業務で使わずともプライベートでやっていたりしました。

下城 可奈

Pythonとの出会いはそこだったんですね。統計とはどこで出会ったんですか?


祖山寿雄

大学に入って研究するところからですね。アンケートとか心理学実験に必要なくらいのレベルだったので、今くらい本格的に始めたのは社会人になってからです。ただ、大学の頃もPythonでデータサイエンス的なことはしていたので勉強会には行っていました。

下城 可奈

社会人になってからは触れる機会が多くなったんですか?


祖山寿雄

多くなったとは言えないですね。徐々に増えていっていま専門になっているイメージです。

人と機械が共存する未来をつくる-02

必死に頑張れば必ず何か得ることが出来るはず

下城 可奈

最初は違う分野だったんですか?


祖山寿雄

新卒で入社した会社はISPの会社で、業界の中でも古い会社でした。古くて大きい会社だったので、窮屈ではないけど面倒な過程がいっぱいあり、あんまり新人が意見できる空気感ではなかったんですね。基本的にインフラ系の仕事でコードを書くこともなかったので、コードを書きたいという想いはずっとありました。そんな時期に今思うと良かったなという経験もあって。

下城 可奈

どんな経験ですか?


祖山寿雄

社会人1年目の時に自分で勉強会を開いたんですよね。

下城 可奈

社会人1年目!どんな経緯だったんですか?


祖山寿雄

私が修士の時にネットワーク分析というものをやっていて、ソーシャルネットワークのような、人と人との繋がりの構造を分析するものなのですが、入社してすぐの時にオライリーからその分野の本が出ることになって、じゃあそれに関する勉強会をやってみようかと。

下城 可奈

どんな感じで進めたんですか?


祖山寿雄

当時はconnpassは当時まだそんなメジャーじゃなくて、勉強会告知サイトっていったらATNDぐらいだったので、そこで告知してみたら10名弱集まりまして。人が集まるったのでやろうと。オライリーから出版された本が7章くらいあったので、7回くらいの続きものとして勉強会を開催しました。

下城 可奈

実際の反響はどうでしたか?


祖山寿雄

10名弱だったのであれですが、そこからコミュニティに入れたのは大きかったですね。そこからずっと仲の良い人もいますし、貴重な人脈を築けたと思っています。

下城 可奈

実際にそこから自分の中に起きた変化とかありましたか?


祖山寿雄

それまでは自分から積極的に何かを発信するタイプではなかったのですが、この一件で積極的に自分から発信するようになりました。

下城 可奈

具体的にはどういったことですか?


祖山寿雄

それまでは与えられた役割をこなすという感じだったのですが、その勉強会の時は仲間を集めて「あなたはここ担当でやってください」等の業務振り分けをしたりしながら、周りの人を巻き込んでいくことができて、それは今も変わらないので、この経験は自分にとって大きかったなと思っています。

下城 可奈

たしかに私から見た祖山さんの印象は人を巻き込むことが上手いエンジニアさんなので、いまの姿はこの時がベースになっているんですね。


祖山寿雄

そうかもしれないですね。ここで一歩踏み出したのは大きかったですね。

下城 可奈

今後もそういう機会があればやりたいなと思いますか?


祖山寿雄

そうですね。ここ2~3年やっていなかったのでやらないとなと思っています。直近でヒカラボありますが(笑)それ以外にも色々とやりたいですね。

下城 可奈

当時は勉強会がメインだったと思いますが、その部分のスキルを日常の業務に活かしたいなという想いはあったんですか?


祖山寿雄

ありましたね。1社目はプログラミングに触れる機会がほとんどなかったので、そもそもプログラミングをしたいという想いは消えなくて。色々と悩んだのですが、そこから思い切った決断をしまして。一気にWeb系エンジニアに転向しました。

下城 可奈

それはかなりの転機ですね。


祖山寿雄

そうですね。インフラ系からWeb系にいったのも大きかったですが、会社規模も一気に変わりまして。

下城 可奈

どれくらい変わったんですか?


祖山寿雄

1社目は全体で600名ほどの会社で、一つの部署だけでも30名くらいいたのですが、そこから転職した会社は、全体で10名に満たず、エンジニアも私が4人目みたいなベンチャー企業だったんです(笑)

下城 可奈

それはまた大きな変化ですね。600名から10名規模のベンチャーへの転職を決断できた理由は何だったんですか?


祖山寿雄

当時は基本ベンチャー企業に行こうと考えていました。大きな組織ではなく小さな組織で自分の意志をしっかりもって仕事したかったのかもしれません。とりあえず飛び込めばどうにかなるだろうと思っていましたし、そこで必死に頑張れば必ず何か得ることが出来るはずだと思っていました。

下城 可奈

実際に入社してみてどうでしたか?


祖山寿雄

想像以上のギャップがたくさんありましたね(笑)会社としてはほぼ個人での開発からチームになっていく過渡期であり、開発体制も全然出来上がっていなかったので、誰が何やっているのかも分からない状況でした。

下城 可奈

やりづらくなかったんですか?


祖山寿雄

やりづらかったので自発的に動いて変えていくことにしました。それができると思ってベンチャー企業に入りましたし、そこに迷いはなかったです。

下城 可奈

そこでは統計や分析のことをやっていたんですか?


祖山寿雄

そこでというよりは、勉強会に行くことを続けていたので、そちらですね。
Pythonきっかけで勉強会に行き始めて定期的に参加していたのですが、気付いたら徐々に分析のほうに入っていってました。今考えると、その場その場で好きなほうを選んでいたら統計・分析にたどり着いていたといった感じでした。

人と機械が共存する未来をつくる-03

人の行動を変えていくことが本当に重要

下城 可奈

そういった選択をしてきてサイカにたどり着いたんですか?


祖山寿雄

そもそもPythonで開発している会社を探していて、なおかつWebアプリとして統計ツールを売っているのが特殊だなと思って興味がわきました。面白そうだなと。それに統計や分析を生業にしているので、統計分析が出来てかつその価値がきちんと浸透しているところだと思って入社を決めました。

下城 可奈

今後こういうことしていきたいなというイメージはありますか?


祖山寿雄

社内的な話で言うと、ちゃんと組織としてやることをしっかり定義してつくっていくことですね。未来を見据えたR&Dが出来るようにして行ければと思っています。会社の価値ってやっぱり未来にあると思うので。

下城 可奈

もう少し先のイメージもあるんですか?


祖山寿雄

先というか、もう少し大きいところで言うと、当面はデータ分析をやっていくと思っているんですが、いま「データサイエンス」が流行っている中で、個人的には違和感があるんですよ。たとえば、機械学習的アプローチについて言えば、人を介さずに機械だけで構築したもので事足りるケースが大半になる時代はすぐ来ると思いますし、そうなった時にそれしかできない方々の大部分は仕事がなくなると思っています。そんな時代に、意味のある分析をしていかないといけないと思っているんです。

下城 可奈

意味のある分析とはどういうことですか?


祖山寿雄

データを入れさえすれば結果が出ますという分析も大事ですが、いまのマーケティングの文脈で言うとそのアプローチには限界があります。背後の人間の状況をしっかり理解したうえでないと難しいんです。人の行動や社会の変化の背後に潜むメカニズムを理解した上で、それを数式やプログラムに落とし込んでいく能力がないと多くのデータサイエンティスト達は生き残れないと思うんです。人と機械が共存する未来をつくる上でもそこの価値観を大事にしたいと思っています。

下城 可奈

サイカもでも最終的な人の決断を大事にしていますがそういった部分には共感しますか?


祖山寿雄

そうですね。最終的には人なので、人の行動を変えていくことが本当に重要だと思っています。今後はそういう世界になる、というか、ならないといけないと思いますね。

下城 可奈

祖山さんとして才能開花という言葉をどう捉えていますか?


祖山寿雄

非連続な成長という言葉に近いと思っています。私が目標設定をするときに、「コンピュータサイエンス強くなります」と言ってもあまり才能開花感はないと思うんです。それが全然違う分野で伸ばせたことがあれば才能開花になるのかなと。例えば「このデータを可視化出来たらいいね」いう話をしていて、そのデザインを私がやったら周りは驚くと思うし、こういうことが才能開花だと思うんですね。人間ほっとけば成長すると思うので自分の領域ではなく誰もが予想もしないような領域で価値発揮した時が才能開花だと思っています。

下城 可奈

では現時点での祖山さんの才能開花はなんですか?


祖山寿雄

いまは「境界を越える」ですね。これには色んな意味を込めていて、スキルの境界や、気持ちの境界、人と人との境界や、社内と社外の境界。他にも、分析を全く分からない人がある程度出来るようになって余力を持てればそれも境界を越えていることになると思っていて。要は自ら壁をつくらずに興味のあることには食いついていくことが大事だと思っているんですですね。なので私自身、色々な境界を越えて世の中の人を幸せにできれば、それが才能開花だと思っています。

インタビューを受けてみて

祖山寿雄

普段無軌道、無計画に生きてるつもりだったんですが、こうして見ると人生の要所要所で寄り道と軌道修正を繰り返しつつ、あるべき姿に収束していってる感がありますね。もうすぐ30なんでそろそろ腰を据えてという考えもありつつ、しばらくは今の路線を続けようかなと思っています。とか言って突然気が変わってぜんぜん違うことやり出すかも知れませんが(笑)